死んだ者のために
音を描く人がいる
本当に深い悲しみを
音で描く人がいる
何気なく出逢ったこの音に
いつの間にかおっかかっている
何気なく出逢ったこの音が
愛しくて離せない
大好きな存在を失った
音を描く人がいる
今聞く音はつらくないけれど
音は強さを私に伝える
本当に深い悲しみを
越えた人が描く音を
私は静かに
ただ静かに聞く
ひとつの評価は私を縛る
誰かの何気ない一言が
いつの間にか私を縛る
その一本一本に気づき
ほどくまでに
私はいくつもの時をすごすのだろう
ひとつの思いは私を止める
それは私の中から生まれるものであり
誰かから投げられる言葉
そのひとつひとつの機会に
生きることを考える
ひとりになる機会に
生きることを考えている自分に
ほっとする
すべての人に好かれようなんて
いつも念じているわけじゃない
私の大切にする人を
いつも安心させてあげたい
何故書くの?といわれたら
私は何と答えよう
はじめは心に刻むため
そして誰にも見せずに
私を生かすためだった
そして今、いつか誰かに見てもらうため
私は何をしているのだろう
いままでの私を知って今までの存在の理由を知って
悲しんでいる
なぜ書くのだろう
なぜのこそうとするのだろう
私は今
心弾んでないのに
その気持ちまでも残そうとしている
何故自分で苦しむのだろう
毎日隣にいて笑わせてあげたい
私の大切にする人を
悲しみから
助けてあげたい
何かしたいと思うとき
私はいつも
無力な自分に気づく
本当は助けてあげるほどの力なんて
少しも今残っていないのに
いつもいつも
思っていることが
それが真実かどうかも分からず
思っていることが目の前にありすぎる
いつもいつも
こうあろうとする姿を
いつもいつも
こうしたいという姿を
誰かに認めてほしい
その姿がどんなに愚かであっても
その姿がどんなに思い上がったものとしても
何か一言をください
わたしを許す一言を
あなたのすべてをください
とはいわない
わたしを許す一言をください
私の言葉
すべて私を伝える言葉
誰かを傷つけるかもしれない言葉
誰かを傷つけてしまった言葉
求められても返すことのない言葉
苦しくても
哀しくても
楽しくても
とまらない言葉
言葉という凶器を感じるたび
私は怖くなる
どんなに信じる自分の姿でも
私はこわくなる
言葉の存在がいつも私を苦しめる
時計の針は確実に元の場所へ戻っていく
絶対そう、なんていいたくないけれど
絶対そう、
なんていえる事なんてないけれど
時計の針は戻っていく
何かを感じながらも
言葉にならない私の気持ちは時計の針に
刺されたまま
なにもなかったかのように
元に戻っていく
いままでにない存在を手に入れる
泣きそうに大切で
守り続けたい
いつまでも何かを受け取るたびに
失うことのおそれが
心をふるわす
信じていいないわけじゃない
求めているのに
不安がつのる
それはきっと青い空気が流す
私への大きな渦となって
何かを受け取るたびに
私は何をしてあげられるのだろうと
考える
見つかるのは、いつだろう
あなたの横顔が何かを語る
目をそらしながら、見つめながら
隠そうとしない強さが
私を泣かす
楽にいきてるのかもしれないという
私の足跡が影をひく
もし、すべてが今消えてしまったとき心の中で何が起こるのだろう
たくさんのすれ違いの中で
本当に大切なものを
守り見出すことの難しさ
時は川のように
うねり、波立ち音をたて
すこしずつ大きくなる
川には滝があるかもしれない
時には滝もなく激しさもない
いつか小さな舟で動き出すなら
終わりのない時の流れを
すすもうか
心の底がのぞけるのなら
まず私の心を映し出そう
とても不可解で
とても手におえない
私の中のもの
誰かに見せる勇気もないのに
心の悲鳴だけは
時も
場所も
関係なく
響き続ける
助けてほしいときに
助けて、と言える
素直さ
期待と裏切りのはかりの上で
私は一言をためらう
私の存在の軽さの中に
存在の証拠を探している。
助けてほしいときに
助けて、と言える
そんなふうに素直に生きたい
その私は
誰かの叫びに応じることのできる人間でありうるのだろうか
何もないのに
少しの気持ちもうれしさも
同情だけが残る前に
離れてほしいのに
私はひどい人間だから
何も言う事もない少しずつ傷つけるより
拒んであげよう
何もないのだ
少しの気持ちもうれしさも
同情だけが残る前に
自己嫌悪に追われる前に
何ができるだろうと思うとき
選べるということは幸せなことだけど難しい
誰もが正しい人間を知ることはできても
そう自分がなりえる可能性は知ることができない
どこにいるのだろうと思うとき
難しさは生きる幸せの意味の答えを
はじきだすような気がする
今が純粋だとしたら
すべてがどんな色にみえるのだろう
昨日より、今日より、明日より
より大きく、よりきれいに気高く
求めすぎた人間を
どんな形で表すのだろう
苦しみながら求めて
夢を手にするかもしれない
かすかな望み
誰かは言うだろう
夢は必ずしも叶わない、と
しかし、誰かは言うだろう
叶わないものは夢である、と
人は目に見えない流れに
逆らっているつもりで
やはり大きく流されている
人は守ってくれる人を探し続ける
守られることを望み
人を求める
母の胎内にいたときから
守ってくれる人を探しつづけている
誰かの背中が冷たくて
守ってあげてほしい、と思う
それが自分ではないと
気づきながら
銃の国から忙しく安全な世界へ
トリップしたいといった人の心は
守られたいと
願った人のそれだろうか
もう少し、もう少し
何かを求めて
一生の間、いくつものものを手にするのか
人の波の間を同じ速さで流れる時間
叶えられる夢の大きさを
間違えた人は
小さな夢を持てばよかったと
後悔するだろうか
人それぞれに
思いに生まれるものがちがうからこそ
夢だけをもとめて
人は歩いていけるのだ