12/3/10

Dead Poet  Society ( movie)

私のお友達の娘と親しい十代の女の子が自殺を図ってしまい未遂におわったものの、意識不明の重体なのだと聞いたのはのはつい先日のこと。とても心の痛い知らせだったのだけれど、正直なところそのことについて慰みになるようなことは一言も何もいえなかった。何が彼女にそうさせたのだろうって思いをめぐらせても、考えられそうな理由が今時、たくさんありすぎて言葉を失ってしまったから。そんなときに見たのがこの映画だった。まだ若かった学生の頃に一度見ているこの映画、今回はまたちょっと違った発見があった。
この映画はある寄宿制のエリート校を舞台にし、ある英語教師と生徒たちとのふれあいと成長を描いた 悲しいお話。その教師は自分の声、自分の個性、意見を見つけること、感性を重視しながら詩のすばらしさを通していろいろなものごとの見方を生徒に示していく。その示し方は決して教える、分析するという型にはまったものではなく、生徒を感化(inspire)することで導いていき生徒たちの活力を促す。そんな彼の教えのもと、生徒の中の一人は夢を見つけ、親の承諾なしにその夢を追い求めてしまう。そんな彼は家に引き戻された後、親の理解なしに夢の実現はありえないと悲観し、自らの命を絶ってしまうのだった。
その教師が授業の始めに示したのはこの映画の日本語名にもなっているように、Carpe Diem (seize the day) その日 (今)を生きるということ。
詩の魅力、言葉の魅力、ことばのちからについて教えながら、授業を通して生徒との信頼関係を築いていくのだが、結末としてこの教師は一人の生徒の自殺の責を負わされて彼は教師でいることができなくなってしまう。それでもよいメッセージというものは受け取る気持ちのある者にはどんな困難な状況であっても伝わりえるという意味合いを残してこの映画は終わるのだった。

Words  have power to change the world(ことばには世界を変えるちからがある) とはの教師の信念であった。、感化されるまま今を生きたことによって、生じてしまった心の変化とか成長と、同じ状況に生きながら、ある生徒は生きることではなく命を絶つということを選んでしまう矛盾や十代の繊細さゆえの難しさがそこにはある。その教師のメッセージは詩を学び親しむということは生きるということの美しさについて学び、そのメッセージを知ることであるということだったのかもしれない。言葉の響きというものは大人が持つものと十代の少年が持つものと違うであろうから、それは言葉というものがもつ難しさを知ることにも似ていてちょっと考えさせられた。言葉というものは聞くときの心の状態によっても変わる。十代の少年の心の変化は大人がそれについていくことが’難しすぎるだけなのかもしれない。でも、人を生かす一言というのが存在するということも事実で、一言で人生が変わることだってある。いつの時代でも、子供時代であろうととなかろうと、コミュニケーションって難しい。一言一言を大切にしたいもの。

十代の少年を生かす一言?たぶんこの映画のメッセージからすると十代の存在はそのままで 十分美しくて生きてそこにいてくれるだけで、十分だと信じさせ、安心させるような言葉なのだろうと思う。その上でSeize the day,(その(日)を存分に生きる)もしくはOne day at a time(一日一日の積み重ねという意味での小さな意味での一日を生きる)。その中間を行ったりきたりしながら生き抜くということの意義を示すということだろうと思う。  だってそれだけで美しいはずじゃない?そこに大人も子供も十代も何も関係ないのだろうけれど。それを受け入れにくいときって誰にでもあるよね。